先日、飯能市職員勉強会にて「地域活性にも有効なデザイン思考」をお伝えさせていただきました。
飯能市職員勉強会は、飯能市に勤める市役所職員の方だけではなく、一般も門戸を広げた、毎回地域活性に関連するテーマを設定して行われる勉強会です。
参加されていた方は、市の職員の方とそうでない方、飯能市内の方と飯能市外の方が入り混じっており、参加者の多様性のある、とても魅力的な勉強会でした。
(他市で勉強会を企画される方にはとてもご参考になる部分も多いかと)
私が地域活性の手法としてデザイン思考をお伝えする理由
私は、これからの社会は個人と・中小企業と・地方が主役になると思っています。
その中で、特に地方の活性にできることがあれば尽力していきたい。
私自身が埼玉県川島町という地方の出身で、地域の人たちににとてもお世話になって育てていただいた、その恩返しをしたいからです。
地域の多くは人口減少・過疎化などの問題を抱えていますが、それぞれの地域に有効な資源があり、その活用方法を考えることで、問題を解決することができると考えています。
最近、地方自治体発で、地域事業者の方や、地方有志の方を集めてワークショップなどが行われていることを目にします。
しかしながら、行政と市民とのガス抜きで終わってしまう、話すだけでプランを実行するまでいけない、などの声もよく聞きます。
このような場で、
- おたがいにおしつけあいにならず
- 議論を活性化させられて
- 知識量・情報量の違いに関係なく参加しやすい場をつくれて
- 「話し合いはしたもののその次の実行段階に移れない」を防げて
- まずはできることからはじめられて、
- テストを繰り返す中で成功の可能性を高められて
- 消費者や地域の人が本当に求めているプランを実現する方法として
デザイン思考が有効だと感じており、その考え方、手法を伝える活動をしています。
今まで、一般の方・企業勤めの方に幅広く、デザイン思考ワークショップを提供してきましたが、
今回はじめて、念願の「地域活性に興味のある方」が集まる場でデザイン思考をお伝えすることができ、とてもうれしいです。
振り返り
ワークショップの最後に参加者の方にそれぞれ感じたことをお話していただき、振り返りを行う時間を設けました。
参加いただいた方からの発言が、トータルで30分に及び、とても積極的に発言・参加いただけたこともうれしく思います。
集まるメンバーがお互いに壁を作らず、思ったことを、子供のように好きなように発言できる関係性を構築できること、そこが地域活性成功のスタートラインだと思うからです。
いただいたご意見の中には、デザイン思考や、拡散と収束を繰り返すことの有効性、人間中心の考え方の有効性を感じたというご意見とともに、以下のような、中級者以上でも課題になってくるポイントに関して発言いただくこともあり、私もとても学びがありました。
- ゴールを自分の持っていきたい方に導いてしまうかも
- バイアスを除外することの難しさ
- インタビューの難しさ
- 特定の個にフォーカスするか、万人受けを狙うか
短時間でお伝えできたのは部分はデザイン思考の一部にはなりますが、「デザイン思考が地域活性に有効らしい」ということを感じていただけたなら幸いです。
よく、デザイン思考は「自転車に初めて乗るときのようなもの」「柔道の型を習うようなもの」と言われ、繰り返すことで習熟度・理解度を高めていけると言われています。
ご興味のある部分を日常の中に取り入れていただき、実践の中でデザイン思考自体の練習を繰り返すことでより熟練度を高めていただける、そんなきっかけになれたらと思っています。
デザイン思考に関するおすすめの書籍
最後に、参考書籍などをご紹介したいと思います。
まずは、私が認定ファシリテーターをしているアイリーニデザイン思考センターが、無料で発行しているドキュメントです。
【無料教材】まちづくりのためのデザイン思考ガイドブック
デザイン思考を用いてまちづくりを行う場合の手順が端的にまとめられています。
ファシリテーションを今後行いたい方向けのガイドブックなどがあります。
書籍としては以下をおすすめします。
21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由/佐宗邦威氏
今回のワークショップでお伝えしたことと内容が近く、振り返りとしても活用いただけます。
ソーシャルデザイン実践ガイド/筧裕介氏
「デザイン思考」というワードは使われていませんが、デザイン思考を活用し、どう地域課題を解決するかが書かれている本です。
今回、貴重な機会を提供していただいた白須さんをはじめとする飯能市職員勉強会の皆さま、お忙しい中参加していただいた皆様、ありがとうございました。
それから、飯能市はメッツァビレッジなど観光拠点だけでなく、夜のお食事もおいしいお店があるという点は新しい気づきでした。
また飯能に遊びに行きたいと思います。
最近のコメント