こんにちは、神田@デジタル野郎です。
スナック菓子「カール」の関東地域販売終了、だいぶ話題になっていますね。
特に30代以上の方、「それにつけてもおやつはカール」のコピーとともになじんでいたお菓子がなくなってしまう とさびしく感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、感傷的な話だけで終わらせていい話ではないように思えます。
日経新聞は、カール販売終了の原因を次のように分析しています。
カールが東日本の店頭から消える理由は、10~20代の若者からそっぽを向かれたことが大きい。
スーパーでカールを最も多く購入するのは40代。10~20代の購入は少ない。
長寿ブランドといえども、長年築いた名声だけで売り上げを維持できない。
今回の「カール」は、最近よく見る「デジタルを活用した新しい商品により、既存業界が大きく変わった」というデジトラ巻き込まれ話ではありませんでした。プロダクト自体にはデジタルの波もなかなか届きにくい「飲食」。辺境にあったにもかかわらず、ピーク時の3分の1にまで売り上げが減少し、関東市場からの撤退を余儀なくされました。
ここから私達が学べることの1つに、知名度の高い会社や商品であっても、時代にあわせ商品やプロモーションを変えるなどの延命処置を行わないと、市場から退場する可能性があげられます。
食品、飲料で、商品に手を加え、うまく延命をしている例では、
ビンでの原液販売「カルピス」から、コンビニで手軽に買えすぐ飲める「カルピスウォーター」
鍋で数分ですぐ食べられる「チキンラーメン」から、食器や鍋を汚さずカンタンに食べられる「チキンラーメンどんぶり」などがあげられます。
また、プロモーションを時代にあわせている例としては「どん兵衛」が突出していると感じます。
企業からの情報発信が消費者に届きにくくなり、消費者同志で面白いもの、共感したいものをシェアすることがあたりまえになりました。(とはいえ、もちろんTVは強いです)
その流れにあわせ、ソーシャルメディアでバズることを狙った施策を各社展開する中、頭一つ抜けていると感じるのが「どん兵衛」です。
どん兵衛とラッセン、 お互いのデビュー40周年を記念して、「クリスチャンラッセンがどん兵衛のかき揚げを描きあげる」企画や、ラーメン次郎愛好者たちが、どん兵衛にもやしなど野菜を入れて「どん次郎」と言っているチョイ足しグルメの口コミからインスパイアされた「どん兵衛からラーメン二郎へのラブレター」企画など、消費者、特に若者に面白がってもらい、友達と共有してもらうことを強く意識した内容です。
そんなわけで、8月まで、カールをお店で探しつつ、「わが社の商品は、プロダクトやコミュニケーションにテコ入れして、プロダクトライフサイクルの長期化ができているだろうか」と考えてみるのもよいのではないでしょうか。私も考えてみたいと思います。
なお、商品や、コミュニケーションはカール撤退の要因の1つではありますが、カールの撤退原因については、商品、コミュニケーション以外にも考えられるので、改めて考察したいと思います。
最近のコメント